
2022年10月1日より、新制度「出生時育児休業」がスタートし、同時に「育児休業の分割取得」も可能になるなど、子どもの出産を迎えるにあたって、より柔軟な休業取得が可能になります。
これまでマネーフォワードでは、妊娠したメンバーに向けて、手続きや申請などの情報を社内のKibela(ポータルサイト)上に公開・共有していましたが、制度改正のタイミングに合わせて、改めて、マネーフォワードで働くメンバーが安心して妊娠出産し、仕事に復帰するための、わかりやすいガイドブックを作成しました。それが「産休育休ガイドブック」です。
これから自身が妊娠を経験するであろうメンバーはもちろん、パートナーの妊娠に寄り添うメンバー、また、妊娠したメンバーと共に働くチームのメンバーなど、全ての人がいつでも参照することができるよう、基本的な情報だけでなく、メンバーのインタビューや、制度の情報、お金のことなどを盛り込んでいます。
そんな、マネーフォワード版「産休育休ガイドブック」制作の背景と想いを、プロジェクトメンバーが語りました。
石原千亜希/Chiaki Ishihara
People Forward本部 本部長
2016年にマネーフォワードに入社。経営企画部長を経て、2021年12月より、People Forward本部 本部長。
今回のプロジェクトでは、全体の統括を担当。
安江智佳子/Chikako Yasue
People Forward本部 人事労務部 / ダイバーシティ&インクルージョンチーム
2020年5月マネーフォワードに入社。通常の労務業務の他、制度の新設や改定などの業務も担当。今回のプロジェクトでは、制度周りの情報整理と監修を担当。
新田大航/Hiroyuki Nitta
People Forward本部 採用広報部/ダイバーシティ&インクルージョンチーム
2021年マネーフォワード入社。全社の採用にまつわる情報発信や、企画立案、記事作成などを担当。今回はメンバーインタビューとコンテンツの構成を担当。
新田:今日は、9月20日(火)にリリースする、「産休育休ガイドブック」の制作背景や、私たちが込めた想いについて、お話しできればと思います。よろしくお願いします。
早速本題ですが、このガイドブックを作ることになった背景を聞かせていただけますか?
石原:マネーフォワードは現在1,600人を超える規模になっていて、当然ながらメンバーが増えることで、産休や育休を取得する人が増えて来ています。
とはいえ、産休や育休というのは、有給休暇みたいに誰もが取るものではないので、いざ自分が妊娠したときや、パートナーが妊娠して休みを取ろう、と思ったときに「みんなはどうしているんだろう」と、不安を感じる人も増えて来ていました。
また、採用の場面でも、選考に進んで下さっている方から「マネーフォワードって、妊娠や出産というライフステージの変化があっても、働きやすい会社なんだろうか」と不安を感じる声を耳にすることがあったんですよね。
なので以前から、なにか分かりやすい形でのアウトプットを模索していたんです。
座談会や、インタビュー記事の制作なども検討したものの、他社の事例なども見て、もっと包括的なコンテンツにして、「そもそも産休や育休ってどんな制度なんだっけ」ということや「マネーフォワードは産休育休を取りやすい会社なんだ」ということを広く知ってもらうのが良さそうだ、ということで今回のガイドブックの形になりました。

石原は自身の妊娠・出産から現在までのストーリーを不定期に、社内ポータルで連載中
このタイミングでのリリースにしたのは、10月1日に法改正があり、多くの人が産休育休に興味を持つタイミングだったからです。
また、昨年12月に、安江さんが中心になって整えてくれた「時短フレックスタイム制度」(※1日あたりの標準労働時間を6時間または7時間として、始業および終業時間が固定されない制度)がスタートしたこともきっかけでした。
マネーフォワードでの働き方の選択肢が広がったんですが、選択肢が広まるだけでは文化にはならないから、ちゃんと使う人がいて初めて意味のあるものになるので、そういった制度を広めたいという思いもあります。
新田:なるほど。安江さんは、人事労務という立場なので、メンバーから産休育休に関する問い合わせを受けたり、不安を聞くことも多いのでは、と思うのですが、実際どうでしょうか。そもそもの前提として、既に社内のKibelaにかなり詳しく制度に関することや手続きの話はまとまっていますが、それでもやっぱり、こういった包括的に知ることができるコンテンツの必要性は感じていましたか?
安江:そうですね。まず、労務の立場としてみなさんにお伝えするのは、こういう制度がある、ということや、こういう手順を踏んで休職にはいるんだ、復職の準備をしていくんだ、といった話がメインになります。
でも実際は、周りの人たちはどうフォローすればいいのか、であったり、妊娠出産をして、子どもを持つ立場になってからも、きちんと働いていけるんだろうか、といった相談を受けることもあるので、そういったときに、労務はどう回答するべきなのか迷っていました。
以前から、Kibelaの中で色々な方が、自分が産休育休を取得したときの話であったり、妊娠出産に関することなんかを積極的に発信してくれていたので、「参考になる投稿がKibela上にありますよ、見てみてくださいね」と、メンバーの積極的な発信に頼っていた部分が実はあって。
2022年4月から管理監督者の研修で産休育休制度について触れるようにしたものの、もっとまとまった形で情報を集約して伝えることで、メンバーや周りの方々の不安が解消できたらいいのにな、ということはずっと考えていました。

安江は労務の業務に加え、インクルーシブ制度などの制定にも携わっています
また、例えば、産休育休を終えて復職するタイミングで、自分で上長と連絡をとって復職先の部署まで話をまとめてしまう方もいれば、「何をすればいいかわからなくて……」という相談から併走する必要のある方もいて、労務担当者は、それぞれの状況や理解度を把握するところから対応をしなければならず、休業制度のポイントをまとめて伝えられたら、もっと安心して過ごしてもらえるのに、それができてない……、というもどかしさもありました。
それに、そもそも産休育休を取ることをどう捉えるのか、ということも、初めての時はわからないんですよね。「育児にがっつり専念する産休育休」になることもあれば「育児と並行してスキルアップする産休育休」になることもありますし、時短制度を使って復帰する方も、フルタイムで復帰する方もいます。
様々な選択肢や考え方がある中で、「マネーフォワードとして産休育休について考えていること」を公式に出すことで、安心感に繋がるのでは、と思っていたんです。
新田:産休や育休に関する相談は、石原さんにも来ていましたか? 石原さんが登場するnoteを参考にする方も多いと聞いています。
石原:そもそもあのnoteを書いた背景というのが、私自身が妊娠出産したときに、働くことをどう捉えていいのか分からなかったからなんです。
どうしても、妊娠して子どもを持つと100%の力は出せない。そして、妊娠出産することは自分が決めたことであって、会社からすると100%の力を出さずに働くことはけしからんことなのではないか、と、申し訳なさを感じて葛藤していたんですよね。
でも、自分と同時期に妊娠した同僚が全く同じ葛藤をしている姿に、従業員が妊娠出産をすることで、それまで100%発揮できていた力を発揮できなくなることは、会社が組織として受け止めるべきことで、そうしないと誰も幸せになれないな、と思ったんです。

もちろん、周りのメンバーに感謝して、配慮する気持ちは必要ですが、過度に遠慮してしまうと、自分のパフォーマンスが上がらなくなってしまうし、上長もどうしていいのかわからなくなるだろう、と色々な方を見ていて感じました。
だから、必要なのは遠慮をすることではなくて、ちゃんとコミュニケーションをとって、一人ひとり考えていることの違いを認識することだと思ってあのnoteを書きました。
Kibela に、不定期で私が妊娠出産してからの実況を書いているのもそういう思いからなんです。
でも、noteやKibelaで書いているものってあくまでも一過性なものというか、皆がずっとそれを見続けるものではないので、きちんとした形で、立場に関係なく誰もが常に参照することができるものを作りたかったというのも、今回の「産休育休ガイドブック」につながっています。
新田:さて、背景について語ったところで、そろそろどんなものかお披露目するべきだと思いつつ……、ちょっとその前に、この「産休育休ガイドブック」の見どころについて、話しておきたいです。
石原:そうですね。このガイドブックの見どころは、やっぱり産休育休を取得する本人が必要な制度の知識だけを得る、のではなく、マインドセットの話がたくさん載っているところだと思います。メンバーとして、上長としてどう振る舞うのか、ということがちゃんと分かるコンテンツが入っています。
だから、本人だけでなく、周りの人も含めてみんなが安心できるのではないかと思います。インタビューコンテンツに登場してくれたメンバーも、みんな二つ返事でOKしてくれましたしね。

さまざまな職種、立場のメンバーが登場してくれました!
新田:そう、しかも、みんな本当にいい話をしてくれたんです。例えばですが、今回、育休を取得した2名の男性メンバーのインタビューも入っていますが、ふたりがインタビューで、育休を取ることに関して、「自分ひとりで子どもの面倒を見る場面の練習ができた」と、話していたんですよね。
他にも、インタビューには色々な人が登場してくれて、素敵な話をしてくれたので、個人的にはマネーフォワードの素敵なメンバーの姿が垣間見えるところも見どころだと思っています。

このガイドブックのインタビューは、メンバーの話を聞いて学ぶことだらけでした
安江:いろんな立場で、いろんな経験をしている人のストーリーが分かるのは、本当に一番の見どころですよね。これまでなかなかそれができなかった部分だったので、これを見ることで、参考になる点はとても多いと思います。
それに、自分と同じような境遇の人がいることが分かって「ああ、私も大丈夫だ」って安心できること、「子どもを持っても、マネーフォワードでならちゃんとやっていけるな」と思えるところは、見どころだと思います。
また、それぞれのタイムラインの中で、考えたり判断したりするポイントがまとまっているのも見どころです。休職前に労務担当者と面談をした後、休職に入ると育児で忙しくなって「今何かを考えて判断しないといけない時期だったっけ? 会社に何か書類を送ったり連絡しないといけなかったっけ?」と不安になることってあると思っていて。
そんな時にガイドブックを開いてもらえると、今やること・考えておくことを思い出せて、安心につながるかなと思っています。
新田:では、ここで、マネーフォワードの「産休育休ガイドブック」を公開したいと思います。

画像をクリックすると中を見ることができます↑
新田:今回、このガイドブックを社外にも公開しましたが、社内的には、このガイドブックをどんな風に活用していきたいと思いますか? 背景のところで話に上がった、問い合わせに対してのオフィシャルな回答になる、という役割と、皆が同じ粒度の知識を持つことができる、というのはもっともメインの活用方法だと思いますが、それ以外に何かありますか?
石原:コミュニケーションのツールとしてぜひ使って欲しいですね。「このガイドブックに書いてあったから、こういうトピックに関して質問してみよう!」とか「ちゃんと話した方がいいんだな」と考えるきっかけになると、とても嬉しいです。
また、マネーフォワードにジョインしたいなと思っている人が、入社前にこれを見ることで、安心感を持てると思うので、採用時にもご案内していければと思っています。
安江:それはありますね。面接を担当されている方が、産休や育休に関して質問を受けたときに、制度のことを熟知していなくても、このガイドブックを見れば齟齬なく説明できると思うので、そういう使い方もぜひして欲しいですね。
石原:それに、まだ妊娠や出産を具体的に考えていない人でも、このガイドブックのことが頭の片隅にあれば、選択肢が広がると思うんです。実際検討を始めたタイミングで、これを読んでもらえば、イメージがふくらみますよね。
新田:産休や育休のことって、自分が経験しないとなかなか想像がつきにくいことですが、自分自身が経験しなくても、周りのメンバーが妊娠出産をする可能性はあるから、そういうときのためにも、ぜひ皆に読んでみて欲しいですね。
石原:ちなみに今回、インタビューや構成を考える作業を通して、何か気づきみたいなものはありましたか?
新田:そうですね。今回、構成を考えるにあたって「どういうお金をいつもらえるのか」というみんなが気になることをどう見せるか、というところに苦心したんですが、これは社会的な課題というか、とにかく制度がわかりにくい、ということはすごく感じました。
いろんな制度がバラバラに存在していて、お金もあっちこっちから別々に支給される、さらに支給の要件もすごく複雑、となると、妊娠して体調が常に変化している中で、全ての制度を頭に入れて動くのは、かなり難しいんじゃないか、と。
安江:そうなんですよね、制度って本当に難しいんです。制度の運用を担当している労務の私自身もそこは常日頃感じています。
労務担当者は毎日制度に触れて、実務も重ねているからこそ内容を詳しく知っているけれど、初見ではなかなか理解が難しい言葉やルールが並んでいます。

社内のKibelaに、制度の原則的な説明など、大多数の方に知っておいてほしいことは、網羅的に書いているものの、制度全体を読み解いて、認識に齟齬が生まれないようにわかりやすい言葉で書くのは、すごくむずかしいんですよね。細かいルールがあったり、言い回し一つで違うルールになってしまうので、わかりやすく伝えることへのハードルがとても高い。なので、書きながら、端的で明瞭かつ正しく伝えたいものの、なかなか形にできないもどかしさも感じていました。
今回のガイドブックでは、制度に関して難しい言葉もある程度残ってしまっているんですが、「私がもらえるお金はこれくらいかな?」という試算がしやすかったり、制度の概要がなんとなくつかめたり、と、複雑なルールと心の距離が縮まるといいなと思っています。
新田:その意味で、これは個人的な妄想ですが、今後のこのガイドブックのアプデートから繋がる話として、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」という会社のミッションに則って、日本の産休育休取得の負担を減らすようなプロダクトやサービスを考えてみてもいいのかな、なんて思ったりしています。
石原:このガイドブックは、今回出して終わり、ではなく、アップデートを続けて行きたいですね。まずは社内に向けて、新しい制度の認知を広げていきましょう。
今回は無事リリースお疲れ様でした!
2023年2月に英語版の「産休育休ガイドブック」もリリースしました
【Special Thanks to】
忍岡 真理恵(経営企画本部 経営企画部 / People Forward本部 ダイバーシティ&インクルージョンチーム リーダー)
榑松 真由美(People Forward本部 人事労務部)
花沢 昌樹(デザイン戦略室 BXデザイナー)
取材・文・写真/新田大航(マネーフォワード採用広報)
写真/苞山美香(マネーフォワード採用広報)
※本ガイドブックの制作にあたり、株式会社ユーザベース様の「産休・育休ハンドブック」を参考にさせていただきました。