
マネーフォワードは、障害者雇用で働く皆さんに向けて、支援ポリシーを公開しました。
この記事では、障害者の 採用・定着支援を担当するメンバーに、公開にいたった背景をインタビュー。私たちの想いや、現在の取り組みについてお伝えします。
井口 夏子(いぐち なつこ)
ビジネスサポート本部 アウトソーシング部 兼オフィスサポート部 副部長。
2018年にマネーフォワードに入社し、障がい者雇用開始時からサポートを行っている。現在は、主に障がい者雇用で働くメンバーの業務マネジメントを担当。
北島 直人(きたじま なおと)
ビジネスサポート本部 採用・定着支援グループ リーダー。
前職では、小売業界で障がい者雇用に携わり、2022年にマネーフォワードに入社。現在は、主に障がい者雇用で働くメンバーの採用・定着支援を担当。
ー マネーフォワードでは、どういった体制で障害者雇用のメンバーが働いているんですか?
井口:現在は、約40名のメンバーが、本社オフィスの庶務・総務業務や、マネーフォワードグループ各社でのサポート業務などで活躍しています。
採用自体は、2018年から注力しはじめたのですが、昨年、採用専任の北島さんが入ってきてくれたり、インクルーシブコース(障害者雇用のメンバーのための人事制度)を整備してから、採用数が一気に増えて、ここ1年で入社してくれたメンバーも多いんです。
北島:僕たちのふたりの役割分担としては、僕が採用と定着支援、井口さんが業務上のマネジメントを担当しています。具体的には、僕が体調や働いている中での課題などについて相談を受け、井口さんは目標設定や日々の具体的な業務をサポートしているイメージです。
役割を分けて、双方向で面談も手厚く行うことで、公私問わず悩みがあった時に相談しやすい体制作りを、意識しています。


ー 今回、支援ポリシーを公開した背景を教えてください。
北島:改めて、私たちが障害者の皆さんと一緒に働く中で大切にしていることや、その背景にある想いを、当事者の方々にお伝えしたかったからです。
一口に「障害者雇用」と言っても、求人によって、働く人も雇用する企業も、お互いへの期待値にかなり幅があるんです。一般的には、主な期待が「福祉」なのか「キャリア形成」なのかで、大きく分かれると考えています。福祉に重きをおくと、企業から安定した就業環境を提供することが重要になります。キャリア形成に重きをおくと、もちろん健康上の配慮はしつつも、企業側は事業への貢献を、働くご本人もキャリアアップを、より求めることになります。
これは、どちらが良い悪いではなくて、企業のスタンスの話なのですが、マネーフォワードは「キャリア形成」を大事にしています。今回の支援ポリシーにも、そのメッセージを込めました。

井口:インクルーシブコースを作った背景にも、同じ想いがありました。簡単にご説明すると、インクルーシブコースとは、障害者雇用のメンバーに合わせて設けた、独自の評価・グレード制度です。
この制度ができる以前は、個別の事情に合わせた働き方を選択できることを優先して、あえて明確な基準を定めずに、評価・昇給を行っていました。でも、メンバーが増えていくと個別最適にも限界がでてきますし、何より、適切な評価・グレード制度がある方が、メンバーが次の目標を設定し、キャリアアップを叶えていくことができると考えたんです。
実際に、インクルーシブコースができたタイミングで、総合職コースの評価・グレード制度に移行したメンバーもいます。運用が始まってからも、メンバーから「目標を立てやすくなった」「評価基準が明確で納得感が上がった」という声をもらっていて、そういった声や運用実態に合わせて、制度のアップデートも行いました。
その中で、やはり私たちは、マネーフォワードで働くことを通じて皆さんにキャリアアップしてもらいたい、という気持ちがより強くなったんです。

ー 担当者のおふたりは、どんな想いでメンバーと向き合われているんですか?
北島:僕は、前職で障害者雇用の担当になった当初は、この役割に対して、福祉的なイメージの方が強かったんです。でも、仕事を通じて色々な方に出会う中で、もっと皆さんは活躍ができるし、一人ひとりが仕事を通じて人生を豊かにできるはずだ、と感じるようになりました。企業の立場で考えても、日本全体が労働人員不足と言われている中で、皆さんの存在はキーとなるし、もっと社会に進出して欲しい、そうでないともったいないと思ってます。
ただ、それを叶えるには、社内の理解と受け入れ体制を整えることが重要なんですが、特に前者は難易度がすごく高いんです。これまでの経験から、障害への不安や、どんな配慮すべきか分からないといった、一緒に働く人の不安を取り除くのは容易ではないと、痛感していました。
その中で、マネーフォワードはまだまだ障害者雇用をはじめたばかりだけど、土台としてTeamworkやRespectといったカルチャーが浸透していて、自分と違う人を拒絶しないで理解し合おうという、空気がありました。ここでなら、障害者の皆さんが、自分らしく活躍できる職場を叶えることができると感じたのが、入社の決め手にもなりました。

井口:私は、マネーフォワードでサポートに入らせていただくまでは、障害者の方と一緒に働いた経験もなかったんです。そのため、良くも悪くも先入観が無かったというか、単純に一緒に働く仲間として皆さんと接していました。そうして一緒に過ごす中で、もちろん配慮が必要なこともあるけど、「お互いにこう工夫すればうまくいくね」というような発見が沢山あったんです。そして、その頃に出会った人たちが、本当に真面目で素敵な人が多くて、自然と、みんなにもっと活躍して欲しいし、それを応援したいという気持ちが生まれてきました。
誰だって、働いていれば辛いことも、悩むことも、困ることもある。その時に、お互いに助け合うっていうのは、障害のあるなしに関わらずすごく当たり前のことだと思うんです。

井口:みんなに活躍して成長して欲しいというのは、私たちに共通した想いだよね。
成長って、「自分で頑張ったから得られたポジティブな変化」のことだと思うんです。それは、マネーフォワード以外でも活かせるその人自身の財産になるし、何より自信につながる。その自信が、その人の人生をもっと前に進めてくれるかもしれない。だから、メンバーから「働く中で自分の中にこんな変化があった」と言ってもらえると、すごくうれしいし、それが私のやりがいにもなっています。
北島:すごくわかります。僕は、採用担当者ですが、採用はゴールではなくスタートだと思っています。採用した人が、慣れない環境の中で悩みながらも、どんどん成長していくのを見るとすごくうれしい。例えば、入社して最初に面談した時のメモを1年後に読み返すと、もう全然違ったりする。少しの変化かもしれないけど、こういう変化が広がって、みんなが成長曲線を描けるようにしていきたいです。
私は、本社オフィスでの総務・庶務業務を担当しています。
前職では、販売・接客の仕事をしていたので、オフィスでの事務業務は初めてでしたが、入社してから、着実にスキルを身に着けることができたと感じています。今はリーダーも任せていただいています。
上長である井口さんとの1on1や振り返り面談、北島さんとの定着支援面談と、すごくパーソナルなサポートをしてもらっている感覚があります。実業務を分かってくれている人、純粋な第三者として話を聞いてくれる人、どちらもいてくれるから話しやすいし、具体的に課題が解決しやすいです。
入社後は、仕事への向き合い方も変わったと感じています。私はどちらかというと保守的なタイプなので、最初は「自分がこんなベンチャーのIT企業で働けるんだろうか?」と、不安や引け目のような気持ちがありました。でも、3年間で、チャレンジをする機会が沢山あって、今は「どうしたら業務や会社がもっとよくなるのか」を考えながら動けるようになりました。
今後の目標は、もっと自分の特性に自己対処できる範囲を広げていくことです。「インクルーシブコース」の導入で、次の目標や基準が明確になったので、これからもステップアップしていきたいです。
【2020年入社/ビジネスサポート本部 オフィスサポート部 メンバー】
私は、クラウド記帳サービス『STREAMED(ストリームド)』の入力オペレータや、社内の経理支払い申請のチェック、契約締結時の反社チェックなどを担当しています。その他、リーダー業務や、一部採用にも携わっています。
自身の障害の特性や、マネーフォワードが初めての職場だったこともあり、最初は周りの人とうまくコミュニケーションが取れるのか不安でした。今では、「入社後に成長したことは?」と聞かれたら「人に意見を上手く伝えられるようになったこと」と答えます。働く中で、色んな人とコミュニケーションを取ったり、文章作成なども上長の皆さんが都度相談にのってくれていたおかげです。
「インクルーシブコース」の導入後は、明確な指標ができたことで、自律的に「次はこれができるようになろう」と取り組めるようになりました。リーダーを打診された時は、プレッシャーも感じましたが、すでにリーダーを勤めている先輩もいたので、勇気を出してチャレンジしてみることができました。
今一番やりがいを感じているのは、採用業務です。会社説明会で話をしたり、面接にも一部入っているのですが、自分が採用に関わった人が、成長しているのを見るとすごくうれしいんです。今後は、面接を1人で行えるようになったり、長期就業をサポートできるようになるなど、役割を増やして採用フローに貢献できるようになりたいです。
【2021年入社/ビジネスサポート本部 アウトソーシング部 法務・経理サポートグループ メンバー】
ー 今後の目標について、教えてください。
北島:障害者雇用には、正解不正解はありません。各企業のカラーや想いがあって、そこにあった施策をすべきというのが大前提です。その中で、マネーフォワードという会社は、こういう想いと制度でやっているというのを、示していきたいです。
障害者の方々が、キャリアアップしながら活躍する社会というのは、マネーフォワードだけでは実現できません。もし、僕たちの想いに共感してくれる企業があった時に、真似されるような事例やナレッジを作って、それを共有して社会全体でやっていくことで、活躍の場をもっと広げていけたらいいなと思っています。
井口:そうだね。想いを実現するためには、そのための体制や制度が必要。私たちもアップデートし続けないといけないし、ポジティブな事例を示せる存在になりたいです。
北島:あとは、今後はもっとメンバーに焦点を当てた施策も増やしていきたいです。セルフマネジメントやスキルアップのための研修などを通じて、今後の人生を通じて活かせるキャリア形成を、支援をしていきたい。
井口:最初に、この1年で入社してくれたメンバーが多かったと話しました。その方々の中で、最初は自身の健康や、まずは仕事に慣れることを考えていたけど、将来に目が向いてきたメンバーが増えてきています。このタイミングで、みんながキャリアって何だっけ、働くってなんだっけと、振り返って前に進む支援をしていきたいし、リーダーなど、次のキャリアステップになるポジションも増やしていきたいと思っています。
北島:最近少しづつ知ってもらえてきていますが、マネーフォワードが障害者雇用を行っていることが、まだまだ認知されていないと感じています。もし僕たちのポリシーや、その背景にある想いに共感してくれたり、いいねと思ってくださる方がいれば、是非一緒に働きましょう。

取材・文・写真/苞山美香(マネーフォワード採用広報)