脱・創業期ベンチャー! メンバー2,000名を目前に「育成」と本気で向き合った1年

2022/11/25

脱・創業期ベンチャー! メンバー2,000名を目前に「育成」と本気で向き合った1年のアイキャッチ

マネーフォワードは現在、急成長中。メンバー数は、現在1,871名(2022年8月末時点)と、ここ2年で2倍以上(2020年865名)になり、組織の様相や課題も大きく変化してきました。

そんな中「多様なメンバーが活躍できる土台を作る」を、ミッションとして立ち上がった、Talent Growth部。マネーフォワードの評価・報酬・研修・育成など、人事制度の企画や運営を担っています。

今回は、Talent Growth部の立ち上げや、その後の施策を牽引してきたおふたりに、急拡大する組織で、人事制度をどうアップデートしてきたのか、この1年間の取り組みを、語っていただきました。

石原 千亜希|Ishihara Chiaki

公認会計士として監査法人に勤務後、2016年にマネーフォワードに入社。経営企画部 部長を経て、2021年12月より、People Forward本部 本部長。

竹内 富貴|Takeuchi Fuki

人材紹介会社でキャリアコンサルタント、IT企業や食品メーカーなどで人事を経験後、2021年にマネーフォワードに入社。2022年5月にTalent Growth部を立ち上げ、同部長。

会社のステージと共に、研修・育成への向き合い方が大きく変化した

ー この1年間で、研修・育成体制が、急速に整備されたように感じます。これは何かきっかけがあったんでしょうか?

石原:ターニングポイントになったのは、2021年12月の「MFグロースシステム」(マネーフォワードの人事制度)の大幅なアップデートですね。

それまでにも、細かなアップデートは行ってきたんですが、土台はあくまで「創業期のベンチャー企業」に最適化された仕組みのままでした。つまり、1社で安定して長く勤めたいというよりは、チャレンジングな環境を求めて、転職も視野にステップアップしていきたいメンバーが、多かった時の制度ですね。

でも、今はプライム市場にも上場して、マネーフォワードで長く活躍したい、キャリアを描きたいという人も増えてきています。何より、新卒採用もする中で、各人のポテンシャルに任せるだけではなく、メンバーが成長できる機会や仕組みを、会社として整えていかなくてはいけないと考えて、このアップデートを行いました。

そこから、この新しい制度を活かすためには、マネージャーやリーダーの力が不可欠ということで、研修制度などに広がっていった感じです。

それを進めていくために、竹内さんにジョインしていただき、2022年5月に「多様なメンバーが活躍できる土台を作る」という思いで、Talent Growth部を立ち上げました。本来、人は自ら成長するものなので、成長を「提供する」のではなく、「後押しする」ニュアンスがいいねということで、この部署名にしました。

石原千亜希さんと竹内富貴さんの対談画像_1

2022年の取り組み

  • オンボーディングの見直し
    マネーフォワードらしいウェルカム感と効率性・わかりやすさが両立できるような見直しを実施。ガイドラインの整備、ツール導入、研修コンテンツの一部を動画化するなど、運用を全面的に見直し、入社後早期の立ち上がりを支援。

  • パルスサーベイ『MF Selfie Map』の導入
    全メンバーに対して月次サーベイを実施。記名制で上長と人事に結果が共有され、メンバーフォロー、キャリア面談などに活用されている。

  • 1on1のアップデート
    これまでバラバラだった1on1の目的を「メンバーの成長とアウトプットの最大化」に再定義。テキストによる1on1の目的と方法論の共有の他、実際のケースを想定したロールプレイング研修を全マネージャー向けに継続実施。

  • リーダーシップ育成研修『Leadership Forward Program』の開催
    グループを牽引するリーダーを目指す方の成長を後押しするために、2021年からスタートしたリーダーシップ育成研修を更にアップデート。経営陣もフルコミットした、実践的でマネーフォワードらしいプログラムを展開。

▶ オンボーディングの見直し

竹内:まずはじめに取り組んだのは、オンボーディングの見直しです。

もともと、マネーフォワードのオンボーディングで大事にしていたのは、ウェルカム感。そのために、入社時の研修も可能な限り、色々な人がライブで実施していたんですが、必然的に、コンテンツの量が多くなっていき、入社者からは「必須で覚えておくべきことや具体的なTODOがわからない」、受け入れるメンバーからは「入社者がいつ何をしているのかがわからない」などの声が、挙がっていました。

そこで、コンテンツの概要や必須事項、具体的なTODOなどを、全てドキュメントで整理し、一部の研修を動画化するなどして後から復習しやすいようにしました。そして、そういった全てのドキュメントやオンボーディングにおけるナレッジを、受け入れ側にも共有するなど、運営を大幅にアップデートしました。

結果、オンボーディングのアンケートスコアが4.0→4.4(5が最高)に改善し、自由記載欄のコメントも、「わかりにくい」から「わかりやすい」に変わりました。

石原千亜希さんと竹内富貴さんの対談画像_2

石原:1年前、何から改善に取り掛かろうかと考えた時に、一番課題と影響範囲が大きそうだと思ったのが、オンボーディングだったんです。

新しいメンバーが、ちゃんと入社後に立ち上がっているのか、もしつまづいていたとしても、周りがすぐにそれを察知することが大事だと思い、オンボーディング支援サービスの『Onn(オン)』も導入しました。

入社してすぐは、特にリモートメインだと、「これって誰に聞けばいいの?」「1on1で相談するほどのことじゃないかも」というような、モヤモヤが発生しがちです。『Onn』だと、良い意味で機械的に「今週どうだった?」をアンケートで確認できるので、本人も上長もストレスなく状況を把握できるんですよね。

▶ パルスサーベイ『MF Selfie Map』の導入

石原:そして、入社時だけでなく、その後も継続的にマネージャーがメンバー一人ひとりのコンディションを把握し、育成を後押しできるきっかけになればと考え、取り入れたのが、パルスサーベイ『MF Selfie Map』です。

全メンバーに月次で行っている記名性のサーベイで、これは今期の大きなトピックだったと思います。

これまでも、全社サーベイは行っていたんですが、個人ではなく組織にフォーカスしていることもあり「半期に1度」「無記名」なので、一人ひとりの状況はわかりませんでした。例えば、部署の「働きがい」の数値が下がっているけれど、具体的な原因が分からず、対策が取り難いというような、課題もありました。

パルスサーベイ『MF Selfie Map』の画面画像

竹内:正直、導入の際は「記名制で上長も内容を確認する」となったら、どれだけ浸透できるのか、不安はありました。心理的安全性がないと、正直なことが書けないですし、メンバーから反対の声も出るかもしれないなと。

でも、いざ導入してみると、反対の声はほぼなく、回答率も最初から8割ほどと高い割合をキープしています。また、無記名の半期サーベイと比較して、各トピックの結果にあまり差がなく、これは心理的安全性の高いマネーフォワードのカルチャーに寄るものも大きいと思いますね。回答結果としても、全体的に、高いスコアを維持できています。

『MF Selfie Map』の導入により、悩んでいたり、モチベーションが下がってたりしているメンバーに、上長から声がけすることが、これまで以上にやりやすくなってきました。人事との面談申し込みフォームもつけているので、キャリアや上長とは少し話しづらいトピックについて、人事に相談をするハードルも下がったのではないかと思います。 

石原千亜希さんと竹内富貴さんの対談画像_3

▶ 1on1のアップデート

ー 個人的に、1on1制度はこの1年ですごく変化があったなと思います。もともと、どこか手探りだったものが、目的や手法が明確になりましたね。

竹内:そうですね。1on1の実施率は、もともと高かったんですが、満足度が80%を超えたのは嬉しい成果です。「1on1が気づきに繋がってる」「アウトプットを高める支援が得られている」といった項目が、特に高い数値で出ています。

曖昧だった1on1の目的を、「メンバーの成長とアウトプットの最大化」と再定義して、ガイドラインや研修で、方法論と合わせて伝え続けました。研修のアンケートを見ると、「1on1は、メンバーと楽しく話す場だと思ってました」というようなコメントもあって、もちろん関係性を作ることも大事なんですが、前提となる目的や大事にしたいポイントを揃えることができたのが、大きかったですね。

また、冒頭にお話した、「MFグロースシステム」のアップデートで、評価制度をこれまでより明確にしたり、社員数自体が増えたりする中で、必然的に、評価結果のフィードバックにも、より納得性・透明性が求められるようになりました。そのためにも、1on1のアップデートは重要でした。

例えば、マネージャー向け1on1研修では、テーマを「フィードバック」として、実際に、少しネガティブな評価だった人がその後より良いアクションができるように、どのようにフィードバックするのかを、ロールプレイングで実践するなどもしました。また、「やりたいことが明確ではないメンバーとどう向き合う?」など、マネージャーの声をもとに研修で取り上げるテーマを決めて研修コンテンツに活かしています。

1on1以外にも、目標設定の方法など、もともとわかりにくい部分があった人事制度について、メンバーと会社の成長に繋がる運用ができるようにマネージャー向けの研修を拡充していっているところです。

石原千亜希さんと竹内富貴さんの対談画像_4

▶ リーダーシップ育成研修『Leadership Forward Program』の開催

石原:あとは、『Leadership Forward Program』ですね。2021年に第1回があって、今年は第2回目の開催でした。

第1回は、初めてだったこともあり、手探りで色々試してみるという感じだったんですが、すでに良いものができていたので、第2回は、参加対象者や、研修で何を得て欲しいかを明確にすることを意識しました。

ミドルマネージャーが、経営リーダーやカンパニー役員クラスになるための、一段高い視座が得られるよう、「経営メンバーとのディスカッション」「参加者であるリーダー同士の対話」を重点テーマとして、準備したのが以下のプログラムです。

リーダーシップ育成研修『Leadership Forward Program』のプログラム画像

研修を通じて、改めて感じたのは、経営陣の育成に対する熱意でした。

例えば、Day1-2では、2グループに分け、それぞれ一泊二日ずつの合宿全てに、CEO辻さんが参加しました。他にも、Day3は、取締役執行役員の竹田さんが、全てのコンテンツを自らプランニングして、終日講師も務めてくれましたし、Day4-6では、辻さんだけでなくCFO金坂さん、CTO中出さんなども総出で、合計6日間に渡って約30チームの事業計画にフィードバックをくれました。

石原千亜希さんと竹内富貴さんの対談画像_5

竹内:これは、私も転職してきて驚きました。こういった研修で経営陣に協力を仰ぐ時は、研修の目的や参加して欲しい理由などを説明して、なんとか説得して参加してもらうケースも多いと思うんですが、マネーフォワードの場合、経営陣が当たり前に育成を大事だと思っていて、自ら企画や運営に入ってくれるんですよね。

雰囲気も、一方的に教えるのではなく「一緒にマネーフォワードを作って行く人を増やしたい」という想いで、参加者と対話している感じです。そういった参加者と真摯に向き合う経営陣の姿勢や熱量が、参加者にも伝わったと思うので、それも良かったです。

参加者が、記事などで内容をシェアしてくれたり、チームにメソッドを持ち帰ってくれたり、「リーダーとして悩むことも多いけど、他のリーダーから刺激を受けました」といった声をもらったり、このプログラムがすごく次に繋がっていると感じます。

「課題解決」の1年から「マネーフォワードらしい制度」を作る1年へ

ー これまでの取り組みを振り返ってみて、自己採点するなら100点満点中何点でしたか?

石原:80点くらいでしょうか。

先ほど話したように、研修などもそうですが、想定よりも、パルスサーベイやオンボーディングの見直しが進んだので、この1年でやりたかったことはできた気がします。

他にも、新しくTalent Growth部にジョインしたメンバーが中心となって、社内のグローバル化に向けての育成プログラムも進めています。

例えば、英語教育のプログラム開発では、学習支援を一部内製化してコストを抑えつつも、2ヶ月でTOEICスコアが平均150点もアップできており、大きな成果が出始めています。これまでは、主にJapaneseメンバーが対象でしたが、Non-Japaneseメンバー向けの英語での研修も、ブラッシュアップを重ねています。Talent Growth部のメンバーが、それぞれ想いを持って力を発揮してくれているおかげですね。

逆にやりきれなかったのは、リーダーになったばかりの人へのサポート。組織が大きくなって事業も複雑化していますし、エンジニアだと、Non-Japaneseメンバーも増えているので、マネジメントする上での、難易度が上がってるのを感じています。

これに関しては、「そもそもリーダーって何をするんだろう?」みたいなところから、リーダー自身がより成長できるような仕組みを作ろうと、準備をしているところです。

竹内:この1年は、今ある課題の解決をやってきたんですが、今後は、それも継続しつつ「マネーフォワードらしい研修・育成」という観点で、もっとアップデートをしていきたいですね。

そもそも、MVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)をすごく大事にしている会社なので、それをもっと色濃く反映していきたいです。例えば、「マネーフォワードらしいリーダー像ってなんなんだろう?」みたいなところを言語化して、制度の土台にできたらと考えています。

グローバル化も含めて、組織のフェーズがまた大きく変わると思うので、私たちもそこに合わせてアップデートしていきます。次の1年で、マネーフォワードの人事制度は、もっと良くなると思うので、期待していてください。

石原千亜希さんと竹内富貴さんの対談画像_6

取材・文・写真/苞山美香(マネーフォワード採用広報)

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