
マネーフォワードの歴史を、1年の出来事で振り返る「Money Forward History」。
第1回目は、2012年のマネーフォワード創業から、実は第2号プロダクトだった『マネーフォワード ME』誕生までのお話。


マネーフォワード創業の2年前。
当時、マネックス証券からペンシルバニア大学にMBA留学中だった辻さん(現 マネーフォワード CEO)の元に、1通のメールが届きました。
送ったのは、野村証券の研究所からスタンフォード大学にMBA留学中だった瀧さん(現 マネーフォワード グループ執行役員)。瀧さんは「金融とインターネットを掛け合わせた事業で金融業界を変えたい」という思いで仲間探しの真っ最中。人づての紹介で辻さんを知り、メールを送りました。
そこから、スカイプで事業プランをディスカッションする2人のやり取りは続き、「日本を覆う閉塞感を取り払い、明るい日本を取り戻したい」という辻さんの、起業への決意も強くなっていきます。そんな、瀧さんとの出会いや、ソニーやマネックス証券での経験で感じた、お金に関する課題意識が、現在のマネーフォワードのミッション「お金を前へ。人生をもっと前へ。」のもとになりました。
2人が帰国後、「週末起業」として有志で毎週土曜の定例ミーティングを開始。メンバーは入れ替わりつつ徐々に減っていき、最後に残ったのが創業メンバー8名です。そして、2012年5月に、高田馬場のワンルームマンションで、マネーフォワードは誕生しました。

(夕方には下水管が臭うような古くて狭いオフィス。環境はボロボロでも、仲間と日本を変えるプロダクトを議論し、開発する日々はとても楽しかった。)
創業とともにリリースした、第1号プロダクト『マネーブック』(当時は、会社名もマネーフォワードではなく、マネーブックでした)。
自分の家計管理や資産運用を知り合い限定で共有し、ネットワークを広げていくという、「お金版Facebook」のようなサービスでした。他の人の資産管理などを参考に、マネーリテラシーを高め合えることを目指して、満を持してのリリースです。
しかし、その結果は、まさかの大失敗……。
ユーザーは50名ほど(それもほぼメンバー自身や友人・知人)。そのわずかなユーザーからも「やっぱり使うのが不安なのでデータを消して欲しい」などの声をいただく始末。
振り返ると、『マネーブック』は「こんなサービスがあればきっと便利に違いない!」という、提供者の想いだけが先立ってしまい、ユーザーの気持ちを考えられていませんでした。この失敗が、後の、マネーフォワードのバリューの1つである「User Focus」、そして『マネーフォワード ME』に繋がっていきます。

(幻となった『マネーブック』のサービス画面と企画案)
第1号サービスを半年でクローズし、焦りと迷いの中、メンバーで共通したのは、「ユーザーに喜んでもらえるサービスを作りたい」「お金の不安を軽減することで、ユーザーがやりたいことにチャレンジできたり、人生を前向きになることを支えたい」という想いでした。
そこから、自分のお金の情報を正しく把握できる、家計・資産管理に特化したサービスを目指して生まれたのが『マネーフォワード ME』(当時は『マネーフォワード』)です。
高度な技術を必要とする、アカウントアグリゲーション(APIまたはスクレイピングを用いて金融機関などのサービスと連携し、残高や入出金情報などのデータの取得を行う技術。)を自社開発した当時から進化を続け、今や1,400万人以上のユーザーに利用いただいているマネーフォワードを代表するサービスになりました。

2012年のヒストリーはここまで。
『マネーフォワード ME』のリリース初期、『マネーフォワード クラウド』誕生の裏話は、次回、2013年をお楽しみに!
取材・文/苞山美香(マネーフォワード採用広報)