【連載】マネフォとわたしの10年 | 現状に満足したことは一度もない。社会やユーザーのために、やるべきことに挑戦し続ける。

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みなさんは「同じ会社で長く働くこと」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
転職もあたり前になりつつある今、ひとつの会社で5年10年と働き続けることを、そこまで意識していない方も多いかもしれません。

「【連載】マネフォとわたしの10年」は、マネーフォワードに入社して10年をむかえるメンバーの、これまでのチャレンジやこれからに対する思いについてお届けします。
トップバッターとしてお話を伺ったのは、山田一也さん。当社のグループ執行役員であり、マネーフォワードビジネスカンパニーでCSO(Cheif Strategy Officer)を務めています。

各領域の戦略を統括する山田さんですが、10年前はサービス提供を開始してまもない、『マネーフォワード クラウド』のいちユーザーでした。山田さんはどのような10年を歩んできたのでしょうか。

山田 一也(やまだ かずや)

グループ執行役員 マネーフォワードビジネスカンパニーCSO
2006年に公認会計士試験に合格し監査法人トーマツに入所。その後、株式会社パンカクにて執行役員CFO、株式会社Bridgeにて執行役員ベンチャーサポート事業担当を経て、2014年にマネーフォワード入社。社長室長、『マネーフォワード クラウド』開発本部長を経て、現在はビジネスカンパニーCSOとして戦略全体を統括。

プロダクトの可能性を感じて、いちユーザーから社員へ

ー山田さんは、グループ執行役員とマネーフォワードビジネスカンパニーのCSOを兼任されています。それぞれどんなお仕事をされているんでしょうか。

山田:グループ執行役員は、BtoB領域全体のシナジーを創出するのが主な仕事ですね。メインは『マネーフォワード クラウド』を中心とするSaaSの事業です。

株式会社ナレッジラボや株式会社アール・アンド・エー・シーといったグループ会社もBtoB SaaSを展開しているので、『マネーフォワード クラウド』とのシナジー創出についても考えています。
最近は、SaaS×Fintechというテーマで、SaaSにFintech機能を内包してユーザーに価値を届けることにも取り組んでいるので、マネーフォワードケッサイとのコラボレーションもアレンジしています。

マネーフォワードビジネスカンパニーでは事業戦略の責任者をしています。ただ、基本的に事業戦略は各本部で立てているので、その内容に対しての壁打ちが主な仕事ですね。

ビジネスカンパニーは規模が大きく、組織の中で本部が複数分かれているんですが、それぞれが連携していく機会も多い。だから、各本部の事業戦略を有機的につないで、『マネーフォワード クラウド』としてひとつの大きな世界観や事業戦略、ユーザーへ提供する価値のデザインについて考えるのが私の役割です。

山田さんのバストアップ画像

ー広い視野をもって、俯瞰しながらビジネスカンパニーの各領域の戦略やその整合性をみる重要なポジションですよね。そんな山田さんですが、実は『マネーフォワード クラウド』のユーザーから社員になった方第一号だと伺いました。

山田:そうです。私は珍しく、家計簿アプリよりも先に『マネーフォワード クラウド』を使っていたんです。

当時、ベンチャー企業のバックオフィスのコンサルティングをやっていました。10〜20社ほどお客さんがいて、会計業務を中心にお手伝いをしていたんですが、会計のソフトウェアがインストール型だとものすごく不便で……。インストール型のソフトは、そのPCにしかデータがないので、お客さんのお手伝いをするにも、直接その会社に行ったり、データをわざわざメールとかチャットで送ったりする必要がありました。

とにかく非効率だし、何かいい解決方法はないかと探して出会ったのが『マネーフォワード クラウド』でした。何社か導入してみてとても可能性を感じたんです。これは、困っていたことが全部解決できるぞ、と。

ただ当時は、機能が足りなかったり、まだまだ使い勝手が悪いというか、もはや使えないなと思うポイントも多々あって。日本の色々な会社の生産性を向上できるポテンシャルがあるのに、すごくもったいないと思ったんです。
それもあって、現CFOの金坂さんや当時の営業責任者だった方とさまざまな話をさせてもらいました。

ーなるほど。ちなみにそこから入社するにあたって、何が決め手になったんでしょうか。

山田:お話したみなさんのマインドがすごく良かったんですよ。端的に言うと、みんな自分に矢印が向いているのではなく、ユーザーや社会、世の中に矢印が向いていて、すごくいいなと感じました。

話をする中で、「もはや一緒にやりませんか?」と誘われたので入社を決めました。だから、マネーフォワードと出会うきっかけになったのはプロダクトなんですが、入社の決め手になったのは”人”ですね。

売れないものを売ってもしょうがない。セールスから、まだ名前もなかった“PdM”への挑戦

ー入社直後はどんなお仕事をされていたんですか。

山田:当時、今のSMB事業推進本部の前進の前進にあたる事業推進部という組織があって、そこに一応営業担当という役割でジョインしました。営業以外も何でもやってもいいよと言われていたんですが、一応はセールスとして入りましたね。

ー山田さんが営業をされていたとは、ちょっと驚きです。

山田:といっても、営業をしていたのは1ヶ月ぐらいです。で、全然売れなかった。自分の営業力の問題もあったかもしれないんですが、それ以上にプロダクトに課題が多かったんですよ。

営業の現場に行ってお客さんに色々説明してみて、自分がユーザーだった時に感じていた「ああ、やっぱりこの機能ないときびしいな」といったことを改めて感じました。
それで、営業に時間を割くよりも、プロダクト開発の方に時間を使った方がユーザーのためだし、会社のためになるんじゃないかと思うようになりました。

ただ、当時は今みたいにプロダクトマネージャーというポジションがなかったんです。エンジニアが全部自分で考えて、自分でつくるのが普通だったので。でも、自分もそこに関わりはじめました。

ー今や社内でも世の中的にも「PdM」ってあたり前に聞きますが、マネーフォワードとしては山田さんが実質第一号だった、ということでしょうか……?

山田:同時期ぐらいに入社したエンジニア兼PdMの方がいらっしゃったので、その方と2人でやっていました。ただ、「コードを書かないけれど開発に関わる」という意味だと自分が初めてですね。

ー山田さんはエンジニアのバックグラウンドがあったわけではないと思いますが、そこはポジティブにトライしてみようと思えたんでしょうか。

山田:営業をやっていても売れないので、できるかできないかわからないけれど、売れるものを生み出すために、自分がやるべきことをやらないと、というマインドが当時は強かったですね。
だから、その過程でRuby on Railsのことも勉強しました。今はもう全くやってないですが、おかげで多少はコードが読めるようになりました。

カルチャーの原体験にもなった、『マネーフォワード クラウド給与』の立ち上げ

ー営業からPdMになることはかなりのチャレンジだと思いますが、ご自身にとって特に記憶に残っているチャレンジングなプロジェクトはありますか。

山田:やはり『マネーフォワード クラウド給与』の立ち上げですかね。
金井さん(現VPoC|Vice President of Culture)がリードデザイナーで、エンジニアリングのマネージャーが渋谷さん(現グループ執行役員兼マネーフォワードビジネスカンパニー VPoE)。そして私がPdMとして参加して、エンジニアメンバーには増山さんもいらっしゃいました。全員今も残っているメンバーですね。

ー最近入社したメンバーからすると、なんだかすごい布陣に感じますね……!

山田:そうそう。古参メンバーですよね。このメンバーで、『マネーフォワード クラウド給与』を半年で立ち上げました。今考えるとありえない速さだと思うんですけど(笑)

私は2014年12月に入社しましたが、「半年後の春には出そう」というスケジュールでした。プロジェクトが本格始動するまでは、一応『マネーフォワード クラウド会計』のPdM的な仕事を見よう見まねでやっていたんですが、そもそもベースがあるプロダクトに機能を足していくことと、プロダクトをゼロからつくるのとでは全くの別物でした。

ー特に大変だったことはどんなことですか。

山田:私はソフトウェアの開発がどういうものか知らずに走り出したので、特にエンジニアメンバーとのコミュニケーションが難しかったです。

相手が何を理解できていなくて、何を理解してもらう必要があって、逆に自分は何を理解できていなくて、何を理解する必要があるのか、がてんでわからなかった。とにかく手探りで、日々いろんな議論を重ねて進めていったのをよく覚えてます。

ーそれはさぞかし試行錯誤だったでしょうね……。

山田:でもそこに、今のカルチャーにもある「Respect」の原形があったと思います。渋谷さんも増山さんも金井さんも、自分と同じ職種ではない誰かに対するリスペクトを当たり前のように持っていたんです。

プロジェクトが途中で瓦解せずにローンチまで持っていけた背景に、間違いなくお互いへのリスペクトがあったと思います。それぞれが自分の職種として、こだわることはこだわる「Professional」の発揮もありました。
とにかく大変で難航したプロジェクトではありましたが、マネーフォワードのカルチャーの原体験があの時期にはありましたね。

ーローンチした時の気分はどうでしたか。

山田:ローンチできた瞬間は、もうすごく楽しかった。リリースした日のことは、今でも覚えています。
インターネット上でアクセスできるようになった瞬間は、達成感というか「こうやってユーザーに価値を届けるための何かが生まれるんだな」と思いましたね。

そこからほどなくして、初めてサービスに課金してくれる人が現れた瞬間も本当に嬉しかったです。最初はすごく機能も絞っていたんですが、そんな中でもちゃんと課金してくれるユーザーがいて、嬉しさと同時に、バックオフィスは企業の根幹を支える業務なので、強い責任感も芽生えました。

ターニングポイントになった、クラビスのグループジョイン

山田:もうひとつ、自分や会社にとってターニングポイントになったのは、株式会社クラビスのグループジョインですね。

それまでは基本的に「全部自分たちでつくる」という路線で歩んできたんです。ただ、クラビスは当時、圧倒的に私たちよりもいいプロダクトをつくっていました。だから、なんとかグループに入ってもらえないかと、クラビスのみなさんと必死に話をしました。

ーマネーフォワードにとってのグループジョイン第一号は、クラビスでしたね。

山田:そうです。だからこそ、自分たちでゼロからつくったプロダクトではないものを、自分たちのプロダクトとして今後育てられるだろうか、とか、みんなちゃんと誇りを持って売っていけるだろうか、という自問がありました。

でもやっぱり、今のValuesにもある「User Focus」の考えが当時も土台にあって。「本当にユーザーにとって価値あるものだったら、自分たちがつくったものであろうがなかろうが、いいものはいいもので、それを届けるのが大事だよね」というスタンスを持つことができました。

実際、プロダクトが非常に優れていたので、マネーフォワードの既存のユーザーにはとても喜んでもらえました。それは、「本気でバックオフィスの改善をやるために、最善の一手を尽くす会社なんだ」とお客さんに思ってもらえたということでもあるので、みんなの自信にもつながりましたね。

マネーフォワードに入って、キャリアを逆算しなくてよくなった。常に「実力不足」だから、やるべきことが尽きない

ーもともと山田さんは会計士からキャリアをスタートさせ、そこからマネーフォワードにジョインしてプロダクト開発にもかかわり、グループジョインという、世の中をよりよいものにしていくための「仲間づくり」も経験されている。すごく色々なことに挑戦していますよね。そのことをご自身ではどう捉えていますか。感慨深いな、と思うこともあるんでしょうか。

山田:実は、そういうことをあまり思ったことがなくて。マネーフォワードに入って良かったなと思うのは、キャリアを逆算しなくなったことなんです。

ー面白い考え方ですね。

山田:マネーフォワードって、会社も事業も働いているメンバーも、常に社会やユーザーに目が向いています。そういう環境にいると、「自分が将来こうなりたい」といったことよりも、「自分たちが何をやるべきか」にフォーカスできるんですよ。だから、自分のキャリアを振り返る機会は本当に減りました。

ー会社としてやるべきだと思うことをやっていると、自然となりたい自分になれている……といったことでしょうか。

山田:実は、入社当初からずっと自分の頭にあるのが、「実力不足」という4文字なんです。
「できること」をやっているというよりも、自分も会社も常に社会にとってユーザーにとってやるべきことにフォーカスしたり、新しいチャレンジをやり続けたりしてきたので、「今ちゃんと自分たちの実力が足りている!」と思えたことは一度もないんです。

言い換えれば、ずっと課題があるってことでもあるんですけど、それがマネーフォワードのいいところだなと感じています。

なんというか、世の中には、実力不足だと思って辞めてしまうこともあるじゃないですか。そこを、自分や会社がレベルアップすることでもっと良くなると信じて続けられる、乗り越えようとする活力が生み出される環境だと思いますね。それは、この会社で働いている人の可能性を広げているし、社会をフォワードさせるためのエネルギーになっていると感じます。

ーマネーフォワードに10年いられた理由の根本にあるのは、「まだまだ足りない、もっとよくできる」という思いなんでしょうか。

山田:そうですね。あとは本当に色々な方に応援してもらえているってことでしょうか。自分たちの姿勢を見て、応援してくれる人たちがこの会社のメンバーにも、パートナーの皆さんやお客さんにも、すごく集まっていると感じています。それだけ期待をされているということですが、世の中からこんなに応援してもらえる会社もなかなかないですよね。

長く会社にいるからこそ感じられる、ユーザーや社会の変化

ー山田さんにとって、長く同じ会社に関わることの醍醐味は何でしょうか。

山田:一番の醍醐味は、社会やユーザーの変化をダイレクトに感じられることですかね。
この10年、BtoB SaaSの普及もあり、バックオフィスは本当に変わりました。テクノロジーの進歩って年々速くなっているので、この先の10年はもっと大きく変わるはず。そうやって世の中やユーザーが変わっていくことを、間近で見続けられることは醍醐味ですね。

毎日毎日バックオフィス業界に関する仕事をやってるので、1〜2年だと私も「昨年と今年って何が変わってるんだろう、いや全然変わってないな」と思ってしまうんですが、5年〜10年という単位で振り返ってみると、ものすごく変わっている。
そういう変わったことに対して、マネーフォワードとそのプロダクトや事業が貢献できたんだな、という実感がわいてくるんですよね。それは素敵なことだと思います。

ー確かに、それは長く関わりつづけていないとわからないことですね。

山田:あとは個人的な話でいうと、会社やプロダクト、事業に対して愛着が湧きますね。
人生において、自分が愛着を持てるものをどれぐらい持っていて、どれくらい増やせるか、ってすごく重要だと思っています。仕事の中でそういったものが生まれるのは、素晴らしいことですね。

優秀な仲間と一緒に、まだ見ぬ景色を見たい

ー最後に、山田さんの今後のチャレンジについてお聞きしたいです

山田:抽象的ですが、今見えてない景色を見ることでしょうか。新しい可能性を打ち出せるといいなと、すごく思います。

今進めているFintech領域へのチャレンジもそこに含まれますが、色々実現した後の世の中がどうなるかは、多分まだ誰も想像できていないと思うんです。
新しい世界観を社内外のステークホルダーに伝えて、メンバーには「マネーフォワードではもっとさまざまなチャレンジができる」と、そして社外の方には「もっとマネーフォワードを応援したい」と思ってもらいたいですね。

私がマネーフォワードに入った時は従業員が50人くらいでした。あの頃はなんでも自分でやらないと人が足りなかったけれど、今は本当に心強い仲間がたくさんいます。
実際に手を動かして実現するところはみんなに任せていって、私はみんなが実現したいと思えるものをちゃんと探していく。その過程でみんなが迷った時は、サポートできるように動いていきたいなと思います。

山田さんのバストアップ画像

取材・文/松沢美月(マネーフォワード Corporate Identity推進室)
写真/新田大航(マネーフォワード採用広報)

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