
みなさんは「同じ会社で長く働くこと」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。 転職もあたり前になりつつある今、ひとつの会社で5年10年と働き続けることを、そこまで意識していない方も多いかもしれません。
「【連載】マネフォとわたしの10年」は、マネーフォワードに入社して10年をむかえるメンバーの、これまでのチャレンジやこれからに対する思いについてお届けします。
今回お話を伺ったのは、マネーフォワードビジネスカンパニー SMB事業推進本部の鈴木彰太さん。
プロスケーターになるため上京し、コールセンターや電気工事の仕事を経験された後、マネーフォワードにジョインされたという鈴木さん。マネーフォワードではCS(カスタマーサポート)からセールス、PdMと、仕事の幅を広げてきました。鈴木さんはどのような10年を歩んできたのでしょうか。
ーまずはじめに、鈴木さんは今どのようなお仕事をされているのか教えてください。
鈴木:『マネーフォワード クラウドパートナー』という、士業の方々が、マネーフォワードを利用している顧問先を管理できるプロダクトがあり、そのPdMを務めています。
ーそれはつまり、やれるところをなんでもやる、というポジションですね。
鈴木:そうです。プロダクトに必要なことはなんでもやるぞ、というマインドで働いています(笑)
ー鈴木さんはどういった経緯でマネーフォワードに入社されたのでしょうか。
鈴木:私は地元の工業高校を卒業した後に、スケートボードのプロを目指して上京してきたんです。結果として夢は叶わなくて、そろそろちゃんと仕事にも力を入れなきゃと思ったタイミングがありました。
そこで選んだのが前職の電気工事の仕事です。店舗やオフィスで電気が使えるようになるには、当然工事が必要になるのですが、その仕事をやっていました。
ープロスケーター志望からの、専門職への転職、マネーフォワード……ユニークなキャリアですね。
鈴木:電気工事の仕事は、たまたま資格を持っていたので選びました。でも、結果的に私には合いませんでした。「石の上にも三年」と思って3年頑張りましたが、マネーフォワードに転職することにしました。
ー当時、マネーフォワードの他に、選択肢はあったのでしょうか。
鈴木:成長している会社を見つけたいと思って、色々な会社を調べていた時期がありました。「Industry Co-Creation ®(ICC) サミット」という経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンスがあるんですが、その前身となるイベントの動画が、YouTubeにアップされているのを見つけました。
伸びている会社はそういう場に集まっているだろうと考えて、片っ端から動画を見ました。その中でいいなと思う会社がいくつかあったのですが、その一つがマネーフォワードでした。
マネーフォワードに興味をもったのは、電気工事の仕事をしていた時期に自分がバックオフィス系の作業で苦しめられていたからです。自分でやらなければいけない細々とした作業があって、すごく大変だった思い出があったので、それが動機になって応募しました。
ー入社された当時のマネーフォワードはどんな状況でしたか。
鈴木:「ザ・カオス」ですね(笑)創業期だったので、当時はみんなハードワークでした。でも、働いている人たちはすごくいい人。一緒に何かを成し遂げたいなと思える、魅力的な方々が揃っていました。

ー最初はCSのポジションを担当されていたと伺っています。
鈴木:そうです。電気工事の仕事をする前に、コールセンターで勤務していました。マネーフォワードには、その経験をもとにCS一択で応募しました。
会社もほとんど経験がない人を採用しづらいと思いますが、運良く採用してもらえました。当時はCSの責任者が瀧さん(創業メンバーのひとり、現執行役員 Chief of Public Affairs)で、瀧さんが自分をひろってくれたんだなと、ずっと恩を感じていますね。
最近入社した方は信じられないかもしれないですが、当時は瀧さんと肩を並べてCSの仕事をしていました。瀧さんもチャットの対応をしながら、時折電話もとっていました。
ーそんな時代があったのですね。
鈴木:当時は会社が本当に「ドベンチャー」状態だったので、研修資料もマニュアルもありませんでした。私はプロダクトのガイドを読み込みながらわからないところを全部スプレッドシートにまとめて、業務終了後の夜に瀧さんをつかまえては、ひたすら質問していました。人手も足りないので、入社して一週間もたたないうちに電話対応をはじめていましたね。
余談ですが、当時のCSのオペレーションは本当にアナログでした。私が問い合わせに対応しきれなくなると、ベテランメンバーから折り返しの連絡をしていましたが、当時はまだ管理ツールがなかったんです。裏紙に問い合わせ内容を記載し紙で残したり、ホワイトボードに書いたりして管理していました(笑)
ーそれは確かに「ザ・カオス」……。
ーその後鈴木さんは営業も経験されていますが、過去を振り返って、特に記憶に残っているお仕事やプロジェクトはありますか。
鈴木:CSからジョブチェンジして、ひと通り営業経験を積んだのち、営業組織の立ち上げに関わったことです。
私が所属していた当時の事業推進本部は、士業事務所とその顧問先向けに『マネーフォワード クラウド』を提案していましたが、一部の事務所においては、サービスを十分に活用できていないケースもありました。そういった方々をサポートするために、当時まだ珍しかった、フルオンラインで支援する営業組織を立ち上げることになったんです。
リーダーが私、プレイヤーは、中途メンバー2人と新卒で入社したメンバー2人、という小さなチームだったのですが、1,000ほどの担当事務所がありました。少ない人数で日々の問い合わせ対応、契約更新、導入支援など、既存のユーザーをフォローしながら新規の導入数も増やしていく……。やることだらけでした。
ー4人で1,000事務所!
鈴木:はい。私もこれどうやってオペレーション回すの、って思いました(笑)でも、そのおかげで、経験したことがなかったマネジメントに楽しさを見出せました。
難しい課題解決のために、自分たちで仕組みを構築して、少ないメンバーで力をあわせながらチームワークで成果を出していく。はじめてのピープルマネジメントの経験になったし、その中で色々と試行錯誤できたのはよかったですね。
その後、立ち上げた組織が軌道にのりはじめて、私はリーダーから部長になりました。メンバーのバックグラウンドも多様になったことで、全体を俯瞰しながら、チームとして成果を出すことに集中するようになりました。

ーご自身のキャリアにおいて、マネジメントを経験されたのはその時が初めてですか。
鈴木:そうです。決まった時は、私が部長になれるんだって驚きましたね。入社した頃は本当に、私には何もないって思ってましたから。
もちろん、初めて経験するからこそ大変なこともありましたが、当時同じ本部にいた色々な方に相談していました。それに、組織の立ち上げを一緒に進めてくれた新卒メンバー2人も、本当に優秀かつ頼りになる存在でしたね。アイデア創出から実行までやりきる、圧倒的な当事者意識を持っていた彼らと、どんどん意思決定しながら進めていました。今思い返してみても、いい経験をさせてもらったなと思います。
ーCSから営業、そしてチームマネジメントと、10年でたくさんのチャレンジをされてきたと思います。そんな鈴木さんに、ひとつの会社で長く働くことの醍醐味を聞いてみたいです。
鈴木:入社当時、 冗談抜きで私は本当に何ももっていませんでした。でも、チャレンジする・させてもらえる風土があったから、未経験だった営業職やマネージャーの経験、途中で頓挫してしまったものの、新規事業の開発にも挑戦させてもらえました。今もPdMという役割を任せてもらっています。
同じ会社に長くいると、ユーザーやビジネスの解像度も高まっていきます。顔なじみのメンバーも多いので、気軽に相談できる人も多くなる。そういったアドバンテージがあると、異なるポジションにチャレンジしたとしても、立ち上がりまでのスピードが早いですし、困ってもすぐに相談相手を見つけて解決できます。
つまり、ポジションチェンジすることのハードルが下がっていくんです。様々な仕事やポジションの経験を通して、できることが確実に広がっていると感じるのですが、それは10年いるからこそ得られる感覚かもしれません。
ーいまは転職も選択肢として当たり前になりつつあります。特にベンチャーの世界だと、2〜3年で環境を変える方も多いですよね。1つの会社で自分にできることや知見を深めたり広げたりして、長くチャレンジすることをイメージしづらい若手層も多そうだな、と思うことがあります。
鈴木:他社の求人サイトを目にすることがありますが、私は「マネーフォワードの中でもきっと同じような挑戦ができるな」って思いますし、マネーフォワードは働きやすい環境で良い人が多いので、転職する理由があまり見つかりません。
それに、マネーフォワードは、ステークホルダーに対して誠実であり続けながら、成果を出しているのが好きです。働いているメンバーへの信頼感も非常に大きいです。そう思えていることもマネーフォワードにい続ける理由かもしれません。
ーありがとうございます。最後に、今後鈴木さんがチャレンジしたいことを教えてください。
鈴木:目下、担当している『クラウドパートナー』のPdMにチャレンジさせてもらっているので、その役割を全うすること。それから、このプロダクトを通じて、士業の皆さんとSMB事業推進本部の成功を常に意識しています。
PdMという仕事は、とても複雑です。責任範囲が広いのはもちろん、日々色々な問題が起きるので、そこに向き合ってるだけで成長できます。今は手こずっていることも、今後当たり前にできるようになって成果が出せれば、きっとまたワクワクするような新しいチャレンジの機会が転がってくるんじゃないかと思えるんです。
だから、自分のキャリアを洗練させたいとか、そのためにどうするか、はそんなに考えたことがないですね。
ーそこまで、自分が担当するプロダクトに集中したいとピュアに思えるのはなぜなんでしょう。
鈴木:「士業の皆さまという大切なビジネスパートナー」と「SMB事業推進本部のビジネス」に愛着が湧いています。だからこそ、思い入れのあるこの領域で今より士業の皆さまにもっと大きな価値を届けて、マネーフォワードがNo.1になる世界を見てみたいです。
CSや営業をしていた10年前は、マネーフォワードって名乗るだけで怪しい会社だと思われていました。「そんな投資商品いりません!」と電話を切られたこともありましたし、士業の方から「私たちの仕事を奪うつもりですか!」ときびしく問われたことだってあります。
今は会社も大きくなり、サービスも増え、マネーフォワードという名前も世の中で受け入れられるようになってきました。この先この会社が何を成し遂げられるのか、どう歩んでいくのかをまだまだ見ていきたいし、引き続きコミットしていきたいです。

取材・文・写真/松沢美月(マネーフォワード Corporate Identity推進室)