グローバル開発組織を牽引したリーダーが語る。マネーフォワード国際化の現在地と未来 

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マネーフォワードは、2024年のエンジニア組織英語化をはじめ、組織全体のグローバル化を推進しています。

今回は、楽天やファーストリテイリングなどで、大規模なグローバル開発組織を率いた経験を持つ、リーダーたちに話を聞きました。ふたりが語る、マネーフォワードのグローバル化の進捗と将来の展望についてお伝えします。

星野 俊介|Shunsuke Hoshino 

学生時代は、両親の海外赴任により日本とアメリカで生活を送る。1999年、大和速記情報センターに、エンジニアとして入社。2003年、楽天株式会社(現 楽天グループ株式会社)に、同社初のPHPエンジニアとして入社。楽天ポイントの開発、アメリカでの買収企業の事業拡大、楽天トラベルの開発責任者などを経験後、コマースカンパニーCTOに就任。楽天市場・楽天トラベルなど基幹サービスの総責任者として、2,000名規模のグローバル開発組織を統括する。2022年、マネーフォワードに入社。マネーフォワードビジネスカンパニー執行役員。

仁礼 英銘|Hideaki Nire 

小学生からプログラミングを始め、中学時代には技術情報雑誌にソースコードを寄稿するほどのめり込む。1992年にNTTでキャリアをスタートし、1999年から2010年、ACCESS、GREE、Condé Nast Japanで開発責任者、開発 PM、CTOなどを経験。ファーストリテイリングでは、外国籍比率80%の100名規模の内製開発チームの統括と、インド出身メンバーを中心とした数百名規模のオフショア開発 PMO を兼務。2022年、マネーフォワードに入社。マネーフォワードビジネスカンパニー HRソリューション本部 副本部長を経て、現在MFBC-CTO室 副室長。

国内外の大手グローバル企業で開発組織を牽引してきたふたり

ー まずは、おふたりのこれまでのキャリアについて、教えてください。

仁礼:色々経験はしているんですが、キャリアの根幹はエンジニアリングマネージャーです。僕は、組織のエンジニアが、より元気により働きやすくなるにはどうしたらいいか、ずっと考え続けてる人間なんです。

所属してきた会社を振り返ると、NTTはすごくドメスティックな組織ですし、Microsoftは大手外資企業、ACCESSやGREEは日本のベンチャー、そこからCondé Nast Japan、ファーストリテイリングと、変わったキャリアに見えるかもしれません。実は、意図的に日本企業と外資企業を、行ったり来たりしてるんです。それぞれに特色や良いところがあるので、それをお互いに持ち込んで活かせたら、面白いなと思って。

グローバルな開発組織のマネジメントだと、直近のファーストリテイリングでは、メンバーの80%が英語話者で構成される、100名規模の組織を統括していました。ミッションは、世界中の拠点から要望を吸い上げて、全世界のUNIQLO、GUのECサイトを開発すること。日本にあるチームでしたが、かなりグローバルな環境でしたね。

当時は、ファーストリテイリングも「拠点は世界各国にあるけどOne Teamで機能している」という、グローバルカンパニーを目指している過程でした。実際に、今は本社機能もニューヨークに分割して、同僚の一部は、ニューヨークにいたりしますね。

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星野:僕は、1社目の会社では、フルスタックエンジニアとして、企画、営業、デザイン、プロダクトディレクション、実際に構築してテストして、リリース後の導入から保守運用までやっていました。

そこから、独自にサブスクリプションモデルのサービスを企画・開発したりしてたんですが、いかんせん議会検索システムという事業モデル上、ユーザーの数が非常に少ないことが、悲しくなってきてしまって。もっと沢山の人に使ってもらえる、世の中のためになるサービスを作りたいと思っていた時に、楽天に出会ったんです。当時は2003年、開発メンバーが40人くらいだった時代ですね。

入社後は、楽天ポイントや楽天ブログの開発から始まり、事業部のマネジメントを任されて、英語化が始まってアメリカの会社を買収したタイミングでは「英語ができてエンジニアをマネジメントできる奴がお前しかいない」と言われて、急にニューヨークに行くことになったり(笑)

ニューヨークとサンフランシスコで4年間ほど働き、帰国後は楽天市場・楽天トラベルも含めた基幹サービスの開発責任者になり、最終的には2,000人規模の開発組織のCTOを任されていました。

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成長痛を抱えながらのグローバル化を目指すマネーフォワード。そこでエンジニアの働きやすさを追及したかった

ー 大手グローバルカンパニーで活躍の中、なぜ転職を決断し、マネーフォワードを選ばれたんでしょうか。

仁礼:組織におけるエンジニアの働きやすさを、もっと追及したいというのが、1番の理由でした。

前職は、ビジネスの主軸がアパレルなので、内製システムはその主軸を支えるサブ的な役割になります。そのため、ITが主軸の会社と比較すると、エンジニアの働きやすい環境を追及するというのは、どうしても優先度が下がってしまうんです。

マネーフォワードは、GREEの出身者が何名か活躍していると聞いて、カルチャーはなんとなくイメージできていました。エンジニアがモチベーション高く、自発的に動いているような組織なんだろうなと。

そこから、VPoEの渋谷さんやCTOの中出さんとお話する中で、現在の課題感を共有してもらいました。その中にあった、開発メンバーのグローバル比率をもっと上げていきたい、各ビジネスの各本部が自走できている反面、組織全体でみると動きがバラバラになっているので、横串での連携を推進したい、という話を聞き、自分が貢献できるイメージが持てました。

GREEでも、動きがバラバラになっていた100名規模の開発チームに、横串PMとして参画して立て直した経験がありました。組織のグローバル化についても、これまでの経験から、10年で歴史が一巡するというか、どの会社も、似通った10年の成長過程とロードマップを経ることが何となく見えていたんです。だから、組織が急拡大した成長痛を抱えながら、グローバル化も加速したいという今のマネーフォワードに対して、僕から「こうしてみたらどうでしょう」と、次の一手を提案することができるのでは、と思いました。

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新しいチャレンジを求め20年愛した組織を離れた。マネーフォワードにグローバル化のマインドを伝えたい

ー 星野さんはいかがでしょうか。20年いらっしゃった楽天を離れることは、大きな決断だったと思うのですが。

星野:そうですね、30歳で楽天に入って50歳で退職したので、30代と40代をずっと楽天で過ごしてきました。楽天が大好きで、振り返ってもとても充実した20年だったと思います。

ただ、同じくらい「楽天でやるべきことはやりきったな」という気持ちもあって、新しいチャレンジがあまり思い浮かばなかったんです。楽天にいれば、このままもっと偉くなっていくイメージがありましたが、同時に危機感もありました。

今はまだ50歳だから、人材としての市場価値もあるけど、このまま50代後半になればそうはいかない。楽天にしがみつくしかなくなって、自分の立場を守るために、新たな若手の芽を自分が潰してしまうようになったら……そんな未来は嫌だと思ったんです。

マネーフォワードを選んだ決め手は、仁礼さんと似ているんですが、僕も楽天の開発組織が40人から2,000人になるまでを一緒に歩いてきたので、マネーフォワードが直面している成長痛がイメージできて、そこで貢献できそうだと思ったんです。グローバル化に関しても、今は英語化に目がいっているけど、実は言葉って小さい問題で、「日本人の当たり前を当たり前と思わない」といったマインドセットを、マネージャー陣に伝えていく方が、よっぽど難しく大切だなと思っていて、そういったことを伝えていくのにも、役に立てるかなと思いました。

もちろん、楽天での経験だけが正解だとは思っていないので、自分の持っているこのノウハウがどこまで横展開できるものなのかにも、興味がありますね。

実は、他にもミッションや事業に共感できる会社があったんですが、そこはまだ組織が小さかったんです。僕が貢献できるのは、おそらく100人以上エンジニアのいる組織。プログラミングであれば、僕より得意な人もいるので、僕のバリューは、組織を大きくしたり、統制を取るようなところかなと。そういう意味で、タイミングも良かったんだと思います。

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これまでいた組織と全く違う。マネーフォワードらしい英語化を模索中

ー 実際に入社してみて、おふたりから見たマネーフォワードはどんな組織でしょうか?

星野:まず、グローバル化に関しては、これまでいた組織とは全然違って、純粋に面白いです。

仁礼:わかります。僕のいた組織とも全然違う。

星野: 例えば、英語化にしても、楽天では初めから100%全員英語化でした。一方、マネーフォワードでは、エンジニアから部分的に英語化を進めてますよね。楽天形式の方がシンプルなんですが、最終的にどちらの方が良い形に落ち着くのか、まだ見えていないです。通訳をどう活用していこうか、という話もあったりして、学びが多いです。

仁礼:マネーフォワードに合ったグローバル化の方法というのは、絶対あると思っています。

これまで、トップダウンな組織もいくつか経験してきましたが、マネーフォワードはそうではないので、同じ方法はマッチしない。

あとは、少し別の観点ですが、マネーフォワードってSlackの登録絵文字が2万件くらいあるらしくて、例えば「肯定」を伝えたい時に、デフォルトだと「OK」と「Thumbs up」くらいしかないものが、「OK」だけで複数種類あったり、「了解」「うすうす」とか、とにかく種類が多い。これが、マネーフォワードのカルチャーの一端だと思っていて、 「肯定」を伝えるだけでも、あれだけ細かいニュアンスを、相手に伝えようとしてるわけじゃないですか。逆に言うと、 そういう会社でグローバル化するのって、どれだけ難しいかって話なんです。

もっと0か1、YESかNOか、という会社であれば楽なんです。ただ、この独特の温かみのある雰囲気を壊さないで、国ごとの文化やメンタリティが異なる中で「じゃあ、今日から英語に切り替えよう」では、済まないチャレンジがある。そこが面白いところかなと思っています。

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ボトムアップのもどかしさと「FUN」の持つ力を同時に感じている

星野:楽天もトップダウンでしたが、マネジメントとしては、その方がやりやすいですよね。明確に期日が決められていて、計画も立てやすい。

マネーフォワードのやり方は、マネジメントからすると、ハッキリ言ってもどかしい。 終わりが見えなくて「どうすりゃいいんだよ」という感じ。

でも、振り返ってみると、トップダウンの進め方は、スピーディに英語化が進む反面、英語を嫌いになってしまう人も生んでしまったと思います。マネーフォワードでは、英語が好きな人が増えている感じがして、「本質的な英語化はどっちが速いんだろう?」っていうのは、今すごく興味を持って見ているところです。

実際、ふたり(=インタビュアー)もさっき、「英語を勉強しなきゃ」ってポジティブに話してくれたじゃないですか。それって、実はすごいことなんですよ。

仁礼:僕が直近でみていたHRソリューション本部では、TOEICスコアの上がるスピードに驚かされました。

もともとは500点未満の人が大半だったんですけど、半年間であれよあれよという間に、TOEIC700点以上の比率と逆転しました。もちろん、もともと英語が得意で上達した層もいるんですけど、すごく英語が苦手だったPdMが、気が付いたら英語でジョークを言うようになってたりして。マネジメント側も、仕事で英語を話す機会をポジティブに捉えてもらえるよう施策を進めていますし、根本的なFUNの力というか、好きこそものの上手なれという感じで、すごく手ごたえがありますね。

あとは、製販一体の組織だと、セールス、PdM、デザイナー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアがいた時に、真ん中のPdMも英語力を強化し、せめてグラデーションを作らないと、最終的な英語化が上手くいかないだろうという話はしています。波が広がるような感じで、英語化していくのが良さそうですね。

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次の課題は本質的なディスカッション。場数が踏めるようどんどん機会を増やすつもり

ー これから取り組んで行きたい課題はありますか?

仁礼:組織やマネジメントの課題を話し合える場所を作って、みんなにその当事者であるマインドを持ってもらうこと、でしょうか。これは、星野さんともよく話しています。

コミュニケーションという点では、プレゼンで一方通行で話す場合と、ディスカッションする場合では、英語の難易度が全く違って、とんでもなく隔たりがあるんです。そして、マネーフォワードでは、まだ多くのメンバーが後者のレベルに至っていない。

現状だと、一番英語化が進んでいるのが、マネーフォワードベトナム内での会議、逆に日本語メインなのが、日本国内のビジネスメンバー同士の会議です。その間にグラデーションがあって、ちょうど真ん中に、組織課題を話し合うような会議があるとイメージしてください。実は先日、この真ん中の会議を、同時通訳を入れて英語化しようと提案したんですが、まだ早いということで保留になりました。これだけハイコンテキストで、課題を話し合う場を英語にすると、どうしてもスピードが落ちて、1時間の濃密な議論が維持できないのではないかと。

TOEICの点数で表せる英語力と、少々英語が荒くてもいいから「私の言いたいことはこうなんだ」と前のめりにディスカッションできる力は別物。必要なのは場数だと思います。

僕もNTTから外資のMicrosoftに入った時は、英語での電話会議が怖くて怖くてしょうがなかった。いつも「もう無理。逃げたい」「おれに話を振らないでくれ」と思ってました。だけど、色んな場を与えられて、会議に放り込まれたりするうちに鍛えられてきた。

ファーストリテイリングでも、インド出身のメンバーで構成された数百人規模のチームのPMOを任されたことがあって、当然重要なディスカッションをするんですが、最初はインド訛りの英語に苦しんで「やっていけるのか?」と不安になりました。でも、やっぱりやってると慣れるんですよね。

だから、できそうな人には、どんどん任せてやってもらうのもいいし、通訳を入れてみるのもいいし、色んなやり方を試してみようと考えています。

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必要なのは「英語化」よりも「国際化」。真にダイバーシティでフェアな組織へ

星野:グローバル化で「国際化」がしたいのか「英語化」がしたいのかは、分けて考えるべきだと思っていて。今はどうしても「英語化」に向きがちですが、僕は「国際化」が大事だと考えています。

国際化とは、先ほども話した「日本人の当たり前が当たり前じゃないことに気付くこと」です。阿吽の呼吸は、期待しちゃダメということ。

テキストで伝える、ロール&レスポンシビリティを明確にする、お互いに配慮すべきトピックを知る、そういったことを地道に積み重ねていくことが必要ですね。国籍を絶対に気にしない、日本人だろうがそうでなかろうが扱いを変えない、そういうダイバーシティでフェアな組織っていうのが、真にグローバルな組織だと思います。

そのためには、実は英語が喋れるかどうかは、あまり問題ではなくて、極論、通訳を入れればいいと思っています。もちろん、通訳を介することでスピードやパフォーマンスが落ちてしまって、英語が話せる人の方が、結果が出る構造になるかもしれない。でも、それで良いと思うんです。それをモチベーションにすれば、自然と英語を勉強したくなるから、その方が心理的安全性もあるし、英語が上達していく気がするんですよね。

仁礼:そういう意味で、Microsoftは20年前の時点で相当進んでいましたね。今でいう、ダイバーシティ&インクルージョンみたいなのは、当たり前。当時はチャットではなくメール文化でしたけど、相手の名前を見て、その人の国籍とか性別とか、つい聞きたくなるんですけど、一切触れてはいけないんです。全てハラスメントと捉えられていました。

逆に言うと、その人の中身や発言の本質を見る訓練をずっとしてきてる。そういうことを、マネーフォワードなりにやっていく必要がありますね。トップダウンで「それはハラスメントです」という風ではなくて、コラボレーティブにやっていこう、本質的でないことを気にしないでOne Teamでやっていくと、自然に国際化していく感じ。

星野:そうなれば、こういう「グローバル化」というトピックすら出てこなくなる。その時が、マネーフォワードがグローバルカンパニーになる時だと思います。

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「なんなんだこの組織は?」開発組織として成熟するために、厳しさも発揮

星野:組織マネジメントの観点だと、実は僕、入社して半年くらいすごく悩んでいたんです。

マネーフォワードって、メンバーからマネージャーへのレポーティングが極端に少ないんですよ。だから、「なんなんだこの組織は? どうやって回ってるんだ?」「自分はこの組織に合わないのかもしれない……」と、考えてしまって。

仁礼:わかります。こんな組織は僕も初めて。普通じゃない。

星野:そうなんです。でも「なるほど、これまでの組織と違うのは理解した。否定から入るのはやめよう」と思って、組織をじっくり見てみたんです。そしたら、なぜか組織が回っているような、やっぱり回っていないような、不思議な感じなんですよね。だんだん「細かく進捗確認したり、注意したりしなくていいし、メンバーが勝手にやってくれるなら、実はマネージャーとしてこんな楽なことはないのでは?」と思ってきたり。

でも、少し話は飛ぶんですが、マネーフォワードに経営層が40人いるとして、今ってその中にエンジニアが数名しかいないんです。やはり40%くらいはテック系の役員がいて欲しいし、いずれそうなるだろうと思っています。

そうすると必然的に、エンジニアからCEOの辻さんに、適切に情報を集約して報告して議論を進める機会がさらに増える。今のこの状態では、ある日突然、適切なレポーティングなんてできないので、やはりそういった組織の土台となるスキルは、必要だと再認識したんです。じゃあ、ここは僕が推進するしかないと思って、意識的にそういった機会を設け始めました。

仁礼:みんなの報告に対して、ちょいちょい星野さんがツッコミを入れるあの進捗会議ですね。

星野:そうです。「もっとちゃんとわかるように書いて」みたいなことを、ずっと伝えてるあの会議です。僕は、嫌われ役になる覚悟を決めたんです(笑)

だって、つまらないじゃないですか。スケジュールを教えろとか、ちゃんとレポートしろとか。でも、やっぱり大切なことだと思うし、さっき話したように、上のレイヤーに上がっていくときには、必要なことだと思うから。

こういった、仕組みやひとり一人のスキルが底上げされれば、高度な施策も取り入れられるようになるし、その基礎固めが終わったら、みんなでアーキテクチャの話とかでワイワイ盛り上がれたら楽しいなって思ってます。

仁礼:大事ですよね。今の体制だと、マネージャー陣が地道に全てのSlackチャンネルを見続けることになってしまう。100人の会社だと楽勝だったものも、1,000人になったら負担は段違い、3,000人になったらもう無理になっちゃう。

この規模だと、途中でちゃんと情報をまとめてくれる人が必要です。

星野:それが、正しい権限委譲だと思っています。

個人で頑張れる範囲は限られているし、無理して把握できているつもりでも、機嫌や体調が悪かったり、プライベートで心配事がある時もあるわけだから、見落とすこともでてくる。100%を担保できる体制を築けないなら、それはマネジメントではないし、マネージャーの人生がすり減ってしまう。本当の意味で、みんなで持ち合う体制を作りましょう。

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来て欲しいのは「カオスに対してゼロベースで議論出来る人」「日本らしいカルチャーで世界と勝負したい人」

ー どんな人にマネーフォワードに来ていただきたいですか?

仁礼:やっぱり、カオスが楽しめる人でしょうか。

具体的に言うと、グローバル化を含めてどんどん組織が変化してるフェーズなので、 「あなたの職務はこれですよ」と明確にして欲しい人よりは、ゼロベースで議論ができる人がいいですね。

例えば、「この場面では、日本人と日本人以外を分けるのは本質的なんだろうか?  現時点での適切な配慮と言えるんだろうか?」という議論が、色んな場面で出てきますが、こういう議論ができるところが、マネーフォワードの良い所だと思うんです。

「そもそも何で?」みたいな話をちゃんとする、英語はまだたどたどしくてもいいから、そういう本質的な議論ができる人に来て欲しいですね。

あとは、野心があるとかね。自分なりに「こうしてやろう」 という意志がある人。

星野:「日本の良さを世界に伝えたい」と思う人に、来てもらいたいな。

僕が他社ではなくマネーフォワードを選んだ理由のひとつに、マネーフォワードにすごく日本を感じたというのがあるんです。この日本っぽいカルチャーを、世界で通じるカルチャーにアップデートして、戦っていけたら面白いなと思っています。

これは「日本最高!」と、ナショナリズムを煽りたいわけじゃなくて、世界に打って出るには、アメリカやヨーロッパ、中国の真似をするのではなくて、独自のアイデンティティを持ち続けなきゃいけないと思っていて。私たちは日本の会社なので、 日本の良さをベースに世界と戦っていくしか、アイデンティティは作れないはずです。そこに、価値があると思ってくれる人に来て欲しいですね。

自動車産業において、日本が世界のトップに立つまで100年かかりました。そして今、インターネットというものが出始めて30年。 先人たちに負けたくないので、彼らが100年で成し遂げたことを、50年くらいで成し遂げられたら、かっこいい。

そして、それを成し遂げるのに、仲間を日本人に閉じる必要はなくて、世界中から色んな人に来てもらって、いいカルチャーを作りながら、成長していきたいと思っています。

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取材/福場麻美(マネーフォワード技術広報)
取材・文・写真/苞山美香(マネーフォワード採用広報)

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